茨城県精神保健福祉センターの主催で、「薬物問題研究会」が7月20日に、結城市の「結城市民文化センターアクロス」で開催されます。
テーマは「刑の一部執行猶予制度」についてということです。
「刑の一部執行猶予制度」というのは、薬物使用事件などの再犯防止を目的に設けられた制度です(この記事の最後にに少し解説しています)。
単純にいうと、早めに服役を終わらせて、その後に、出所後は民間リハビリ施設に入所するなどして再犯防止を目指すわけです。単に刑務所に収容しているよりも普通の生活の中で支援を受けて薬物から離れていくことが、薬物依存からの回復やリハビリ、再犯防止に役立つと考えられていて、この制度が始められました。しかし、毎日新聞の記事などによると、運用上の課題はいくつかあるようです。
その「刑の一部執行猶予制度」をテーマにして研究会・シンポジウムが7月20日開催されます。茨城県保健福祉センターのホームページから情報を転載いたします。
平成30年度茨城県薬物問題研究会
平成30年度茨城県薬物問題研究会を開催します
茨城ダルク,筑西保健所と共催で薬物問題研究会を開催します。シンポジウムでは茨城県で薬物依存問題に関わる精神科医,弁護士,検事,保護観察官,刑務官など専門家が集います。薬物依存症からの回復について、参加者と一緒に考えたいと思います。
日時:平成30年7月20日(金曜日)午後1時00分~午後4時30分
会場:結城市民文化センターアクロス(結城市中央2丁目2)
内容:薬物依存症の回復と一部執行猶予制度について基調講演とシンポジウムを行う
申込先:精神保健福祉センター相談援助課
13:00 開会
13:05 基調講演
【薬物依存症って?刑の一部執行猶予制度って何だっけ?】
県立こころの医療センター 小松﨑 智恵様
13:45 講演【現在の薬物依存症の回復へ物申す!】
茨城ダルク今日一日ハウス 岩井 喜代仁様
14:15 (休憩)
14:25 シンポジウム【改めて薬物依存症の回復を考えっぺ!】
16:30 閉会
刑の一部執行猶予制度とは
薬物犯罪での裁判の判決の際に、例えば、「被告人を懲役2年に処する。その刑の一部 である懲役6月の執行を2年間猶予する。」などと判決(主文)が下ります。この場合、まず服役をします。そして、1年6ヶ月後に服役を終えて社会に出てきます。
しかし、社会に出てきたといっても、完全に自由になったわけではありません。2年間の「猶予期間」が設けられています。この2年間には「保護観察」があります。そして場合によって異なりますが、多くの場合民間のリハビリ施設に入所することが求められます。この期間の間に、薬物依存からの回復や社会復帰を目指していくわけです。もし、この期間中に何らかの犯罪を行えば、猶予されていた6ヶ月間の懲役が適応されます。つまり、服役に戻らなくてはならないわけです。
刑務所に収容しているだけでは本当の回復は難しいといわれています。それよりも普通の生活の中で支援を受けて薬物から離れていくことが、効果的だと考えられています。