多くの子どもたちがネット依存に陥っているとニュースで報道されました。保護者の皆様は、お子様たちがネット依存になってしまわないかと心配されていることと思います。
子どもたちの多くは、スマホの使い過ぎがネット依存につながっていると思われます。ネット依存になってから、改善を目指すよりも、予防が大切だと思います。
ネット依存・スマホ依存を予防するために、どんなことに気を付けたらよいか、解説します。
紙面【社会】ネット依存 中学生の14% 厚労省推計。5年で倍増 93万人に。中高生全体約650万人の7人に1人に当たる計算になる。特に女子の割合が高い。ほか 詳しくは本日(9月1日付)東京新聞朝刊にて pic.twitter.com/6bTwgDaYgy
— 東京新聞ほっとWeb オフィシャル (@tokyohotweb) 2018年8月31日
スマホを買う前に
ネット依存の予防のためには、お子様にスマートフォンを買い与える前に、お子様と話し合ったりすることが大切です。スマホを買ってからだと、お子様がスマホを使うことばかりになってしまった、話し合いに気持ちが乗ってこないと思います。スマホを買う前に、話し合うことをお勧めします。
どんなスマホを選ぶのが良いでしょう?
あまり重視されていませんが、子どものネット依存を予防するためには、スマホの機種を選ぶことも大切です。高機能な iPhone を子どもが欲しがることも多いと思います。一般的には、高機能な機種は、ネット依存につながりやすいといえます。高機能であるほど、スマホのアプリの起動や切り替えが早くなります。そういった操作性の良さが、使っているときの心地よさにつながります。それが、使い続けてしまうことにつながり、依存を助長する可能性があります。
特に、小学生のころには、キッズスマホとして設定されている機種を選ぶことをお勧めします。3大携帯電話会社の場合、あからさまに高機能のスマホを勧めてくることも多いので注意が必要です。ネットでよく調べてから購入することをお勧めします。
スマートフォンのルール作り
スマホを使うようになると、スマホに非常に長い時間を使ってしまい他の事がどんどん後回しになりがちです。生活習慣が破壊されて、やるべきことをやらなくなったりします。そういった状況を親が注意して何とか良くさせようとすると、注意ばかりになりがちです。そうすると、親子関係が険悪になって、注意すればするほどいうことを聴かないという悪循環に陥ってしまう危険性があります。
そのため、問題が起きてからではなくて、スマホを買う前にスマホの使い方のルールを作っておくことをお勧めします。
ルールの内容は以下の点について決めておくことが大切でしょう
- スマホを使ってよい時間
- スマホを使ってよい場所
- 利用料金についてのルール
- ネットの使い方(書き込みや見てよいサイト)についてのルール
- 社会的なマナーについてのルール
- ルールが守れなかったときの対応
ルールは親が一方的に決めるのではなくて、親子で話し合って決めるのがお勧めです。
ルールの作成については、次のサイトを参考にしてください
ケータイルールを考えよう(KDDIスマホ・ケータイ安全教室)
スマホのルールを紙に残しておく
スマホルールを決めたら、それは、必ず紙に書いて残しておくことが必要です。記憶だけでは、必ずあいまいになってしまい、せっかく決めたルールも守れなくなってしまいます。
ルールを紙に書いた場合には、紙に日付と、子ども自身が自分で署名をすること、親も署名をすることが大切です。それを、どこかに大切にファイルしておきましょう。さらにスマホに写真を撮って残しておくことも良い方法だと思います。
ルール違反の対応
ルールが守れなかった時の対応もルールの中に盛り込んでおくことが非常に大切です。
「ルールを守れなかったら、スマホを取り上げる。」というような極端なルールはお勧めしません。子どもの激しい抵抗にあって、取り上げることができない場合もあります。親の方が、「取り上げるほどではないかなぁ」などと考えて、大目に見てしまうこともあります。同じように、極端な罰則を定めておいても、実施することが大変になります。
こんなふうに、ルールを破っても決めてあった対応をしない場合には、子どもが「ルールは守らなくてもかまわない」という捉え方をしてしまいます。
それを避けるために、ルールを守れなかった時の対応は、(心理的にも物理的にも)実行しやすく、子どもが次からルールを守ろうと思うきっかけになることが大切です。一例としては、「次の日から24時間親が預かる」というようなルールがお勧めです。
また、ルールを守れなかった時には、淡々とルールに決めてあることを実行することをお勧めします。厳しくしかったりすると、次回以降の抵抗が激しくなったりすることがあります。そうすると、ルールが守れないことを助長していきます。
淡々と、ある意味、事務的にルール通り実行していくことが良いと思います。
趣味や好きなことを育てよう
スマホ依存・ネット依存を予防することを考えると、スマホをどうするかについて考えるだけになりがちです。スマホ以外の好きなことや趣味があると、スマホに依存する傾向を下げることができます。スマホしかすることがないと、必然的に、ネット依存・スマホ依存になってしまいます。
小さなころから、打ち込めるものを育てていくことが大切ですね。
子どもにスマホで検索してもらおう
お子様がスマホを使う時間が長くなってくると、保護者様はスマホを使うことを注意して止めさせることに、意識を向けがちです。お子様はスマホを使おうとして、反対に、保護者様は止めさせようとするということがパターンになってしまいがちです。
スマホをめぐる親子のコミュニケーションに、止めさせようとして止めさせられないという悪循環が生まれてきます。止めさせようとすればするほど、スマホが止められなくなってきます。
こういったことを防ぐためには、スマホをめぐるコミュニケーションのバリエーションを増やすことが大切です。
その1つは、お子様にスマホを使って、色々なことを調べてもらい親がそれを教えてもらうという方法です。調べてもらうのは、何でもOKです。
例えば、晩御飯のレシピを調べてもらうのはお勧めです。作り方を子どもに調べてもらって、子どもから教えてもらう流れから、料理のお手伝いにつなげていけると最高です。
仕事関係の用語や商品を調べてもらうことも一つの方法です。子どもならではの若い感覚で意見や感想ももらえるかもしれません。社会的な知識や問題意識や知識を養うことにもつながります。視野が広がっていくことが、お子様の活動の広がりにも役立つことが期待できます。
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子どもの場合、大人には思いもつかない単純な行き違いでトラブルになることがあります。
スマホを買う前に、お子様の行動や生活習慣をチェックして、話し合うことをお勧めしています。