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中1ギャップを上手く乗り越える

中1ギャップという言葉をご存じでしょうか? 小学校も中学校も同じ義務教育なのですが、中学校は小学校とは環境がかなり違います。そのため、子どもたちの中には、環境の変化に対応できず、心身に不調をきたしてしまうことが多いと言われています。こういった現象が中1ギャップと呼ばれています。

 

 

中1ギャップと不登校

中1ギャップの例としてよく取り上げられるのは、不登校の子どもの数が中1に入ってから急に多くなることです。実際どうなのか、文部科学省の調査から見てみます。

 

平成29年度の学年別不登校児童生徒数のグラフを紹介します。

学年別不登校児童生徒の数(平成28年度)

引用元

平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/10/1410392.htm

 

グラフで分かるように、不登校児童生徒の数は小学校6年生では10894人ですが、中学1年生では27992人と、約2.7倍もの数になっています。

 

中1ギャップを理解してそれに備えることが、中学生になってから不登校の状態になることを予防することにつながると思います。

 

中1ギャップの内容

子どもたちが中学生になったときに直面するギャップにはいくつかの側面があります。具体的に見ていきたいと思います。

 

人間関係の変化

 部活動などを通して先輩後輩の関係が生まれてきます。先輩から部活動の指導を受けたりすることも多く、上下関係という側面が強くなります。中学1年生にとって先輩は怖い存在として感じられるなど、大きなストレス源になっています。

 また、中学校へは複数の小学校から子どもたちが入学してくるため、小学校時代の友人関係ではなく、新たな人間関係を築くことが必要となります。それは、子どもにとってはストレスの一つとなります。

 

学習の変化

 中学校では、小学校時代に比べて学習内容が高度になってきます。それだけではなく、定期テストが行われて順位や成績がはっきりとつけられます。そういった学習面の変化が子どもにとってはストレスの一つとなります。

 

先生との関係の変化

 中学校では、教科担任制となり学級担任の先生とのかかわりが少なくなります。そのため、ちょっと困ったときなどにも、学級担任の先生からのサポートが少なくなります。子どもたちにとっては、ストレスの一つとなります。

 

中1で睡眠時間が大きく減少

 上で書いたように中学校という場所は小学校とは大きく違っているのです。そういった変化は子どもたちにはストレスとなります。

 一方では、中学生となった子どもたち自身の生活も大きく変化することが分かっています。はっきりとした変化の1つは、睡眠時間が大きく減少するということです。

 

 

子どもの睡眠時間の変化

 

 グラフを見ると、小学校1年生から高校3年生までの間ずっと、子どもたちの睡眠時間は少しずつ減少していくことが分かると思います。平均すると毎年14分ぐらいずつ減少している計算になります。ところで、減少の傾きが急になっている箇所が2カ所あります。1つは、小6から中1への変化で、もう一つは、中3から高1への変化のところです。小6から中1の箇所では睡眠時間が40分減少し、中3から高1の箇所では33分減少しています。つまり、子どもたちは中学1年生の時に自分の人生で最大の睡眠時間の減少に直面しているのです。ちなみに、中学生では睡眠時間は、9時間程度必要と言われています。それを1時間以上も下回る時間しか睡眠できていないという結果です。

 

 睡眠は、こころの安定や学習の定着などにも非常に大切だと言われています。中学校で環境の変化に直面している子どもたちが、心身ともに健康に過ごすには、睡眠は極めて大切だと考えられます。中1で、急に睡眠時間が減少してしまうということは、子どもたちが環境の変化に対応していく力を奪ってしまうリスクがあると考えられます。

 

子どもがたっぷり睡眠をとれるように

 中学生になったら、子どもたちは忙しい毎日を過ごすようになると思います。保護者様は、子どもたちの様子を見守りつつ、睡眠時間が急激に減少しないように気をつけてあげてください。習い事や家族のイベントなどを見直したりして、中1ギャップを乗り越えられるように配慮してあげることも大切だと思います。

 

まとめ:睡眠時間を確保してあげてください

 中学校に入学すると、子どもたちにとって、学校という環境は、人間関係、学習、先生との関係など様々な面が変化します。その変化が、不登校など子どもたちの心身の様々な不調につながっていると考えられていて、その変化は中1ギャップと呼ばれています。特に、睡眠時間が大きく減少することが分かっていますが、それは、環境への適応にはマイナスです。睡眠時間を確保してあげることが中1ギャップを乗り越えるためには大切だと思われます。

 

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