親は分け隔てなく子どもを育てているつもりでも、子どもからある日「お兄ちゃんと私とどっちが好きなの?」などと質問されることがあります。
急に聞かれることが多いため親としても慌ててしまって、「どっちも大好きだよ」などととりあえず答えることが多いと思います。しかし、そういう質問が何度か繰り返されてくると、「みんな大好きだよ」と答えるだけでは自分が大切にされていることが実感できていないのではないかと、親としては不安になることと思います。
そのため、「お兄ちゃんよりも、あなた方が大好きだよ」などと答えてあげた方が良いのだろうかと、迷うことも生じがちです。
「あなたの方が好きだよ」はおすすめできません
実は、「お兄ちゃんよりも、あなたの方が好きだよ」という答え方はおすすめできません。これは、別の状況では「お兄ちゃんの方が好きだよ」などと正反対になってしまう可能性があるということです。子どもなりにそういったことが分かりますので、かえって不安になってきます。
つまり、「どっちも大好きだよ」と何度でも言ってあげることが大切です。
質問に答えるよりも大切なこと
実は、「どっちも大好きだよ」と答えることよりも大切なことがあります。それは、子どもがなぜか“自分は好かれていないかもしれない”という不安を抱えていて、しかも、その不安を親に聞くことができているということです。
親のことが信じられていない場合には、「どっちが好き?」と質問することそのものができません。質問できているということは、根っこのところでは「親に自分は好かれている」という信頼感があります。その信頼感が育ってきたことは大切な者です。そして、これからもその信頼感を育てていくことは大切なことです。
その信頼感は質問して「あなたが好きだよ」という答えが得られたから生まれてきた感覚ではありません。生まれてからずっと育ってきた時間の中で、自然に育ってきた信頼感です。言葉で確かめても、本当は確かめられないものです。
では、どう応えれば良いでしょうか?
もう既に信頼感は育ってきているのです。親を信頼してくれて、親に質問してくれたことを感謝し、そういう信頼感を持てている子ども自身を肯定的に認めることが大切です。
「どっちも大好きだよ」と答えたあとで、「なんとなく心配なことがあったのかな?」などと聞いてあげることが大切です。その上で、「心配なことがあったときには、今日の○○ちゃんみたいに、お母さんとかお父さんに、気になることを質問できるのは、すばらしいことなんだよ」「心配なことをちゃんと聞いてくれてありがとう。大好きだよ」などと伝えてあげてください。
【心配がないから大丈夫】なのではなく、【心配なことがあっても大丈夫】だと子どもに感じてもらえることが、子どもの心を支え、親子のつながりを深めていくのです。
こちらの記事もお読みください
初回無料相談お試しください