代表カウンセラーの半田が、日本EMDR学会のWEEKEND2研修会を修了しました。
EMDR療法の定められた研修は前半と後半に分かれており、それぞれWEEKEND1、WEEKEND2と呼ばれています。代表カウンセラーの半田は、2023年10月末に両方を修了しました。
また、半田はトラウマやPTSDについての研修を幅広く受講して学びを深めております。
研修歴につきましては、以下のブログ記事をご確認ください。
EMDR療法をご希望の方は、必要に応じて実施することができますので、ご相談ください。
なお、EMDRは対面でのカウンセリングのみで実施いたします。また、公認心理師法第42条第2項により、精神科・心療内科等に通院中の方のカウンセリングには「医師の指示」が必要です。通院中の方は、ご予約前に主治医の先生にご相談くださいますようお願いいたします。
EMDRとは
EMDRは、Eye Movement Desensitization and Reprocessingを略した言葉です。日本語では、「眼球運動による脱感作と再処理法」と呼ばれます。トラウマやPTSDの治療に効果的な手法です。様々な国のPTSDの治療についてのガイダンスで推奨されている手法です。
※PTSDとはトラウマによって生じている心身の不調の中で医学的診断があるものを指します。
こんな効果があります
どんな人でも、いろいろなつらい体験があると思います。そういったつらい体験が心の中に、忘れられない不快な記憶として残っていることがあります。そういう体験はトラウマ、その記憶はトラウマ記憶と呼ばれます。EMDRは、そのようなトラウマの影響によって生じる強い不安や恐怖などの改善に効果があります。色々な国で研究されていて、何度もトラウマやPTSDの症状の改善に効果があることが確かめられています。
EMDRの方法
EMDRは、両側性刺激と呼ばれる左右交互の視覚や触覚の刺激を脳に与えながら、過去の記憶に気持ちを向けます。それを通してトラウマ記憶が少しずつ処理され、安全な記憶の一部となって心の中に保存されます。
なお、左右交互の視覚や触覚の刺激と言っても、特別な刺激を加えるわけではありません。カウンセラー(治療者)が左右に動かす手の指先を、クライエントが目(眼球)を左右に動かして見るということがひとつの方法です。また、自分自身で左右交互に体をタップ(ごく軽く叩く)ことも良く使われる方法です。
一般的にはEMDR療法は8段階のステップですすんでいきます。12~15回のカウンセリング面接で1クールが標準的です。なお、つらい体験を何度も経験した場合やつらい体験が非常に大きかった場合は、フラッシュバックなどのつらい症状が強いことがあります。その場合には、まずはその症状に対処するためのカウンセリングを行うことが必要です。そして、心身の状態がある程度落ち着いた段階で、EMDR療法を実施することが重要です。
こんな人に役に立ちます
どんな人でも生活の中で、さまざまなつらい体験、ショックを受けるような出来事に遭遇すると思います。例えば、暴力、パワハラ、いじめ、誹謗中傷、交通事故、自然災害、死別などです。こういったつらい体験・ショックを受ける体験があって、その後もずっとつらや苦しさが薄れず、ちょっとしたきっかけでつらい感情や苦しい気持ちが繰り返し生じてくることがあります。そういった場合には、EMDR療法が役立つことがあります。
注意点
EMDR療法は、今まで多くの実践や研究の積み重ねがあり、実践と研究の両面から効果が確かめられています。それらを通して効果的な手順が細かく定められています。そのため、定められた研修を受けていないカウンセラーやセラピストによるEMDR実施はリスクがあり、お勧めできません。また、ネットなどの情報をもとに自分で両側性刺激を加えてトラウマを克服しようとすることは、状態の悪化を招く恐れがあります。
EMDRを利用しようとする場合には、必ずEMDR学会のホームページに掲載されている「EMDR治療者リスト」に掲載されているかどうかを確認してください。なお、公的機関に所属しているEMDR治療者はリストには掲載されていない場合があります。その場合には研修修了証などを確認してください。
トラウマケアのカウンセリング
リソースポートでは、成人の方向けのトラウマによって生じているつらい状況をケアするためのカウンセリングを提供しております。
詳しくは以下のページをご参照ください。