平成7年(1995年)に、スクールカウンセラーが公立学校に配置されるようになって、から25年が経過しました。
なかなか、配置が進まない現状があると思うのですが、都道府県毎に状況も異なっているようです。
学校保健統計調査をもとに、都道府県毎の配置状況を数値化してみました。
元のデータは以下のリンク先から入手できます。
なお、平成29年度分については、リソースポートのブログで解説しております。
以下のリンク先をご参照ください。
数値化のルールは以下の通りです。
週4時間以上で配置されている学校:3点
週4時間未満で配置されている学校:2点
不定期に配置されている学校 :1点
配置されていない学校 :0点
以上のように数値化して、満点が100点になるように調整しました。
つまり、全ての学校が週4時間以上の配置の場合100点で、配置が全くない場合は0点となります。
あくまでもその都道府県内での平均の配置ですが、点数は以下のような目安です。
100点:すべての学校で週4時間以上の配置
66.7点:定期的な配置だが週4時間に届かない
33.3点:不定期配置
令和2年度のスクールカウンセラーの配置状況
都道府県ランキング(スクールカウンセラー配置)
東京都が豊かな財政力によって、スクールカウンセラーを満点に近い状況で配置しています。
リソースポートのある茨城県は、全国平均を大きく下回る配置状況となっています。
そこで、茨城県の配置状況の変化を見てみました。
茨城県のスクールカウンセラー配置状況の変化
小学校 | 中学校 | 高等学校 | 全体 | |
平成29年度 | 42.8 | 78.4 | 71.8 | 64.3 |
平成30年度 | 47.6 | 74.7 | 63.8 | 62.0 |
令和元年度 | 51.4 | 66.1 | 69.9 | 62.5 |
令和2年度 | 53.8 | 72.6 | 65.3 | 63.9 |
茨城県のスクールカウンセラー配置状況は、平成29年までは毎年少しずつ配置が増えてきていたのですが、平成30年度には、大きく減ってしまいました。令和2年度まで2年かかって少し回復しましたが、平成29年度にはまだ届いておりません。
今後に向けて
今回の記事では、スクールカウンセラーが全ての学校に週に4時間以上で配置されている場合に100点となりました。これは、もとの統計が「週に4時間以上」「週に4時間未満」「不定期配置」「配置なし」という区分になっているからです。
週に4時間の配置で十分だということではありません。スクールカウンセラーも常勤になって、毎日8時間学校に常駐することが望ましいと思います。
そうすれば、1対1のカウンセリングをしっかりと行うことができます。もちろん、それだけではなくメンタルヘルスの授業をしたり、教室の中で授業中の子どもたちに関わったり、カウンセリングルームの外で様々な活動ができます。
そういった活動の必要性は非常に高いと思います。
さらなるスクールカウンセラー配置拡充を期待したいと思います。
こちらもご参照ください
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