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不登校の子が突然学校へ行くのはなぜ?

 

不登校でずっと学校を休んでいた小学生や中学生が、ある日突然学校にいくことがあります。

 

この記事ではその理由から、どんなふうに子どもたちをサポートしたら良いかについて考えます。

 

黒板と教室の机

不登校の子が突然学校へ行く理由

 

不登校の子ども達は、学校を欠席することが続いている場合でも「学校へ行かなければならない」という思いと「学校へ行けない」という思いの2つの相反する思いで葛藤しています。

 

そのため、不登校の子ども達はどの子でも、ある日突然に学校へ行くことがあるかもしれないのです。実は、「ある日突然」というのがポイントです。

 

もし、事前に学校へ行くための準備をしたり、学校へ行く計画を大人に話したりすると、それがプレッシャーとなって、学校をめぐる葛藤が強く刺激されることになります。かえって学校へ行けなくなってしまう可能性が高いと思います。

 

ところで、「明日は学校へ行く」「〇月から学校へ行く」などと予告していたのに、学校へ行かなかったということは、よく生じます。お子様は、予告してしまったためにプレッシャーに苦しんでいたのかもしれません。

 

反対に、事前に準備したり大人に話したりしないほうが、学校をめぐる葛藤が小さくなるので、学校へ行きやすくなると考えられます。

 

つまり、突然に学校へ行くということは、子どもの心の中では、学校へ行こうという気持ちと、学校に行きづらい気持ちの両方の気持ちが戦っている証拠なのです。その葛藤をうまくスルーする方法の一つが、突然に学校へ行くという方法なのです。

 

 

突然、学校へ行った後の家庭での対応

 

突然、学校へ行った場合、お子様の心にはまだまだ学校を巡る葛藤があると考えられます。そこで、学校へ突然行った後には、ご家庭ではお子様をしっかりとサポートすることが大切です。

 

例えば、「学校どうだった?」と質問するよりは、「学校、疲れたでしょ?」と投げかけてあげることが良いと思います。

 

「疲れた」などと、愚痴を言ったり弱音を吐いたりすることができれば、少しは学校で感じた心理的な負担を軽くすることができると思います。

 

また、学校へ行ったことそのものをほめるのではなく、だれに勧められたわけでもなく自分で考えて行動したことをほめることをお勧めします。

 

つまり「学校へ行くことができたね」「学校へ行けて良かったね」「学校へ行って偉かったね」などという言葉でほめるのではなく、「自分で考えて行動したのが素晴らしいね」「自分で考えていたんだね。それってすごいね」などとほめてあげることが良いと思います。

 

【1回学校へ行った】ことが素晴らしいのではなく、【大人が分かっていない間も、自分で考え続けていた】ことが素晴らしいのです。

 

1回登校できても登校が続かない

 

突然学校に行ったとしても、次の日には登校しないことがほとんどだと思います。このことに、多くの保護者様はガッカリしてしまうかもしれませんが、ガッカリする必要はありません。

 

ある日突然学校へ行ったということは、自分の中で前向きに考えることができていて、条件が整えば行動に出せるという証拠なのです。

 

良い状態と悪い状態の波を繰り返しながら、少しずつ良い方向への変化していけるようにサポートしていくことが大切です。

 

不登校については、以下の記事もご参照ください

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