知っている人も多いと思うのですが、精神科医の岡田尊司先生の本を紹介します。2017年に発売された「子どものための発達トレーニング(PHP選書1094)」という本です。子どもが直面している課題に応じて具体的なトレーニング方法を提案しています。
- 注意力のトレーニング
- ワーキングメモリーの課題とトレーニング
- 言葉やスピーチの課題とトレーニング
- 視覚・空間認知のトレーニング
- 基本的な社会的能力のトレーニング
- 実践的な社会的スキルのトレーニング
- プランニングと統合能力のトレーニング
- 行動と情緒のコントロール
家庭などの子どもの生活の中でも行うことができる具体的なトレーニングが紹介されています。でも、私はこれらの内容ではない、別の所を特にお勧めしたいと思っています。子どもたちの発達を促していくためには、本質的に大切なことが書かれていると思います。それは、「はじめに」、「おわりに」、「第1章 トレーニングを始める前に」、「第10章 愛着アプローチ」です。この本のページ数からすると、この4箇所は、全体の5分の1にも満たない分量だと思います。でも、一番大切なことが書かれています。この4箇所に書かれている内容が分かっていない場合には、課題に応じたトレーニングをいくら行ってあまり効果が期待できないと思います。逆に言えば、この4箇所に書かれていることをしっかりと分かることができたら、個別の課題に応じた具体的なトレーニングはこの本を読まなくても良いのです。
第1章には、「発達のトレーニングは、遊びと似ていると言うか、その本質は、遊びと同じなのです。」と太字で書かれています。そして、大人も子どもも楽しむこと、失敗しても大丈夫と子どもに感じてもらえていること、子どもの関心に寄り添うことが、大切だということが繰り返し書かれています。
本当にオススメの本です。